2012年2月25日土曜日

ごえん



お伝えする文章力に自信が無いがトライしてみる。



出かけたついでに譜面のコピーをしようと、ショッピング・コンプレックスに入る百円ショップの
五円コピーに立ち寄った。
少々(*´д`*)恥ずかしい感覚を伴うもののA4サイズまでは通常の十円の半額という設定である。

100円シュップには5円コピーやらレジでは一点105円やらと、どこにも100円で済む物が
存在しないのは、セブンイレブンの開業時間が7時~11時では無いのに等しい。

意外に知られていないのだが、私が小学時代に過ごしたカナダのアルバータ州の
エドモントンには40年前に既にセブンイレブンは存在しており、その店こそが本来の
朝7時開店、23時閉店であった記憶が鮮明に残っている。
子供なりに外国って最先端!と思ったものだ。


さて、件のショップ。


費用対効果がある商売のはずなので、10円コピーがいかに儲かるかが社会的に理解出来る
という現実も備わっている。

購入したての譜面を(出版社の出版のまま使用すると演奏が出来ないため)現実的にして
差し上げようと、作業に勤しんでいた矢先だった。

ある老紳士(実際にはこれは美化語である)が相当に暇だったのか、寂しかったのか、



「あぁ~おぉ、おんがっかは大変やの~う、うんうん、ホンマになぁ~」



と、私に歓声を下さったのだ。

何というコトだろう。
私を「おんがっか」と見破る眼力、知識、判断力、洞察力!元探偵曲勤務に間違いなかろう!!

確かに音符の羅列された用紙を複写しているわけだから、確かに音楽関係とみるのは理解可能。
しかし、なぜ、私を「プロ」と見たかだ。

うさんくさいおやじ愛好家は世界中に存在しているし、または悪質な出版業者かもしれないのに。


私はその老紳士には、
「いえ、まぁ、確かにそうですが、こういうのも現実でしょうかね。安いのは助かります」
などとお相手をして差し上げた。


これが第一幕である。


その刹那、



第2幕

その直後、今度は老婦人(これも相当な美化語)が「コピー機はどこかいな」と、
レジのお姉さんに尋ねている言動を音楽大学の聴音クラスを必修で受講させられた
我らが専門家の聴覚が聞き漏らすはずも無い。

つかつかと私の近くに寄って来た。

こういう場合、深い敬老の精神を伴う私は
「少しだけお待ち頂けますか?すみません」

御婦人は
「いやいや、全然かまへんねん、うちはコピー機の説明読んでるだけや。ゆっくりやってや、
気にせんでな兄ちゃん!」


「(兄ちゃんやと?)あぁ、恐れ入ります。ではお言葉に甘えてもうしばらく占有を」


「ええで」

何か変だが良いか。しかし、確実に立場、形勢、アイデンティにヒビと亀裂が入った。
大人になろう。


その直後から御婦人のひとりごと攻勢が始まる。

「はは~ん、そうかいなぁ、ごっ、5円。なるほどなっ。ん?え~よん?え~さんって何や?
ほうほう、あっ?ほうほう・・・」

前記、学生時代はもとより、子供時分から聴覚の専門教育を受けて来た人間には、
その御婦人のブレスまでが明確にわかってしまう。

21年の教員の端くれ魂に火がついた、というか、黙ってもおれず、
世界共通の用紙サイズの定義。費用対効果の説明をせざるを得ない。

レジ担当者はアルバイトだろうし、その義務は生じていないだろうし、その気も
さらさら無さそうである。日本は再起動しないといかんのと違うか。

とにかく、
単なる親切で、とにかく冷静な説明をして差し上げた。





で、第3幕。


さて、そんな状態に少なからず過労したわたくしは早々にその御婦人にその場を譲り、
哀愁を背負いながらも自分の愛車に向かった。

一応だがその愛車の車内にて、今、複写したばかりの譜面に目を通す。確認作業だ、
加齢から来る指の油の無さも手伝い、哀愁は増すばかりの状態だ。


やっぱりである。


プレッシャーに完敗だった事が判明したのだ!

スコアの3、7、9頁が無い・・・。コピーし忘れた。

歯抜け状態。


負けた。完敗である。




結局、帰路にコンビニに立ち寄り、その穴埋めを行なったのは言うまでもない。

それでも自宅でもう一冊の7頁が抜けていたことがわかる。
結局、自宅の複合機で何とか揃える事が出来た、という結末である。

安いなんて大嫌いだ!


これは単なるドジなのか、無抵抗主義の完敗なのか、せこいのか、混乱している。



出版方も演奏家目線になって譜面作成をして下さり、
著作権協会も人の才能、他人のふんどしで立派なビルにオフィスを構える等はやめて頂き、

かつ、とうに利権切れのバロックの楽曲コンサートをするのに、著作権申請用紙を送り付けてくる
などの無駄な愚行を止め、不勉強を反省し、ちょっとだけで良いからプライドをもってもらい、
理不尽過ぎる世の中がもう少しでも良くなる事を願いつつ、

結局その楽曲がもうひとつトホホで、全くのカオスなひとときとなった一日でした、という
報告をここに終了します。ありがとうございます。



コピー1枚の単価は2円~3円らしいですよ。
10円なんてえぐいですぜ。

100枚×2円=200円(A)

100枚×10円=1000円(B)

(B)−(A)=800円!!!!!!